【8】各教科の学習の仕方アドバイス    
【国語】
 NHKなどの教育番組で学習したり、漢字学習や参考書・ワークブックなどを利用した学
 習や読書(文学・詩・紀行文・小説・新聞・雑誌)などを通して学んだ時間、感想文やレ
 ポートや創作など文書を書くのにかけた時間などを記録するとよいでしょう。 

【英語】
 ラジオ・テレビの英語講座、参考書・ワークブックなどを利用して文法・単語力を養う。
 英語の物語や雑誌などの文献を読む。英会話教室に通って実際に英語を使って話してみる。
 英語で文通する。英語の歌の歌詞を聞き取る。英検などの資格試験を目標に学習する。そ
 れらにかかった時間を記録するとよいでしょう。Reading,writing,speaking,
 listeningの力をつけ、生きた英語が学べるよう意識するとよいかもしれません。

【スピーチ】
 人とコミュニケーションをする技術を学び、高めることを目的とします。手紙や電子メー
 ルを書いた時間を含めてもよいと思います。家族でだんらんをしたり、友だちと話をする
 中でも、自分の考えや意見を相手に伝えたという場合はスピーチとして認定可能です。そ
 の際、おしゃべりでなく、きちんと自分の意見・思い・考えなどを相手に伝えられたか、
 ということを自分自身で確認しましょう。また、スピーチは、基本的に自分自身が言葉に
 して発したときのことをいいます。人がスピーチをしているのを聞いたというのはスピー
 チになりません。家族のだんらんや会話の中で自分が意見を述べた時間をスピーチとして
 記録する場合は、その時間にうち、自分はどれだけ自分の考えなどを相手に伝えたか(言
 葉にして発したか)、ということを振り返り、すべての時間ではなく、自分の納得のいく
 時間のみを記録してください。

【数学】
 自分に合った数学の本(専門書・数学史・数学者の伝記)や参考書、問題集を解いたり、
 数学のテレビ番組講座を見たり、数学の論理的思考を促して発展させるような数学的パ
 ズルを解いてみたりするのもよいでしょう。どんなレベルのものでも構いませんが、修
 了までにご自分が望む学習レベルに到達するように計画を立て学習するとよいと思いま
 す。毎日、すこしずつやるのがおすすめです。

【平和】
 日本国憲法についてや沖縄の問題、安全保障、基本的人権、世界各地の紛争の問題、オル
 タナティブな考え方、環境の問題など、平和と言うことを考えるにあたり、重要だと思う
 キーワードについて学習をしてください。フィールドワークの報告、レポートなど自分な
 らではの形で学習するとよいと思います。

【社会】
 専門書や市販の教材・資料で学習するほか、テレビニュースを見たり新聞を読んだり、 
 歴史小説を読んだり、さまざまなテレビ番組(「堂々日本史」「地球の旅」「ウルルン滞
 在記」など)を見たことを参考にして学習したり、自分が実際に旅行する土地のことを調
 べたり、旅行先で地域の資料館を訪れて学習することや社会で起こっていることについて
 調べたり話し合うこと、いろいろな場所への社会見学などは、社会的な目を養い生きた社
 会知識を習得するのによい方法です。それらにかかった時間を公民(政治)・歴史・地理
 の科目別に振り分けて記録するとよいでしょう。この3つの科目以外で、社会に相当する
 と思われる科目は選択科目にしてください。

【理科】
 必要な理科的情報や知識を得るにあたり、いろいろな教材(各種専門書、図鑑などの参
 考書など)、テレビ番組では、NHKの教育番組のほか、「やってみよう・何でも実験」
 「サイエンスアイ」などを見たことをヒントにして、自分なりにレポートにまとめるなど、
 動物や植物などを観察したり、育てる過程を通して学ぶのはもちろん、科学館・博物館・
 水族館・動物園・植物園・プラネタリウムなどを訪れて学習したりするのも楽しく理科を
 学ぶのによい方法だと思います。また、学んだ内容によって、生物・科学・物理・地学・
 天文学などのように科目ごとに分けて時間を記録していってください。その方が成績証明
 書などで細かく単位認定できます。

【体育】
 体育は、全体で1.5単位(270時間)が必要です。そのうちの少なくとも1.0単位
(180時間)は、ジョギング・水泳・スキー・スケートなどのスポーツをして、実際に身
 体を動かして学習してみてください。いろいろなスポーツにチャレンジされることをおす
 すめめします。こうした実際の運動の他、保健衛生学・栄養学など身体の健康の維持・管
 理のための学習も単位として認められます。  

【選択科目】
 音楽・美術・工芸・書道・家庭科など自由に設定してください。設定のめやすは、1科目
 について、0.5単位(90時間)以上学習するという見通しを持ってください。設定し
 た科目の履修合計時間で、選択科目全体の履修合計単位を修了できますが、単位履修記録
 に記入する時や時間を記録する時は、音楽なら音楽と科目別にしてください。ま た、国
 ・数・平・社・理・英などの必修科目を規定単位以上に深めて学習したい場合は、選択科
 目の履修単位として換算できますので、さらに学習を深めてください。車の免許取得のた
 めに費やした学習時間は、0.5単位(90時間)まで認められます。    

【テレビや映画について】
 基本的に選択科目のテレビや映画として科目を作って記録するのではなく、歴史のこと・
 社会問題のこと、生物・心理学・文化人類学など、その映画や番組を通して実際に学んだ
 内容によって、平和・公民・歴史・生物・心理学などのように、科目ごとに記録していっ
 てください。また、映画や写真を見た時間全てを記録するのではなく、その映画や番組を
 見て何か新しいことを学んだか、を常に自分に問いかけ、学んだ分のみの時間を記録して
 ください。

【コンピュータ】
 コンピュータにおいても、常に自分がその活動を通して何を学んだか?ということを考え
 るようにしてください。コンピュータで文字を打ったり、何かのホームページを見たり、
 という行為をしたとき、その活動の意味を考え、その活動から何を学んだのかを自分で問
 いかけ、その活動から“新しい学び”を獲得したといえるとき、その内容のある時間のみ
 を記録していってください。

【キー・ボーディング】
 ワープロを打ったり、コンピュータを使って文字を打つ練習をしたとき、文字や文を打っ
 たときなどがこの時間に認定されます。ただし、認められるのは、0.5単位(90時間)
 〜多くて、1.0単位(180時間)までです。

【コンピュータ・スタディ】
 コンピュータの操作やソフトの使い方などを学んだときのコンピュータ関連の活動がこれ
 にあたります。1.0〜多くて、4.0単位まで認定可能です。

【コンピュータ・プログラミング】
 コンピュータ・プログラミングを学んだときは、特別にこの科目名で1.0単位まで認定
 可能です。インターネットやパソコン通信などについては、基本的な操作を習得して慣れ
 るまでは、コンピュータ・スタディとして記録してください。ネット上の講座で学んだり、
 情報収集をしたり、掲示板やメールでやりとりしたりといったことは、そのことを通して、
 実際に学んだ内容によって、国語・スピーチ・公民・歴史・生物・心理学などのように、
 科目ごとに記録していってください。また、コンピュータを触ったりネットを見ていた時
 間全てを記録するのではなく、そのことを通じてなにか新しいことを 学んだか?を常に
 自分に問いかけ、学んだ分のみの時間を記録してください。

【追加条件について】
 1.ボランティア活動:弟や妹、近所の子供の勉強や面倒を見たり、手助けが必要な人の
   ために買い物をする、庭の草取りをする、(雪国では)雪かきをするなど、何かをす
   ることで、家族や地域のひとたちに貢献をした場合は、その活動の内容と時間数を記
   録して報告してください。自分のための活動は含まれません。
 2.アルバイト:仕事の内容・時間数を記録して報告してください。選択科目の修得単位
   数として、在学中に3.0単位(540時間)まで認められます。  
 3.読書リストの作成:修了時までに、今まで読んだ本60冊以上のリストの提出が必要
   です。読んだ本の題名、著者名、感想等の記録をして提出おいてください。
 4.認定単位の上限:卒業に必要な最低単位は22.0単位ですが、それ以上取得するこ
   とも可能です。1学年に最高で、9.0単位(1,620時間)まで認定することが
   できます。おおよそ、27.0単位が最高認定単位数となっています。  

【おわりに】
 みなさんからの質問でよくあるのが、「〇〇〇は単位になりますか?」というのです。み
 なさんは、単位になるから学習しているのでしょうか?それでは、一般の学校に近い発想
 だと思います。〇〇〇を単位にするには、何の科目にそれが当たり、その〇〇〇をしたこ
 とによって、自分が何を学んだのかを自分で把握しているかが必要だと思います。〇〇〇
 を学習とするかしないかは、基本的にはみなさん一人ひとりに任され いるのです。だか
 ら、自信をもって自分の学びを報告してください。