F  I E  L  D W O R K
   
 
 マンションの屋上から見る墜落現場は、生々しい惨状を呈していました。Lの字型をした鉄筋3階建ての建物の東側のはじにヘリは激突墜落した模様です。建物の屋上部分のひさしが削りとられ、東側の側面には、おそらく、プロペラによってつけられたと思われる数本の黒い削痕が残されていました。そして建物の1階部分の前には、原型をとどめないヘリコプターの焼けこげた残骸が横たわっていました。また、残骸の直ぐ後ろの建物の壁は、ヘリコプターの残骸に近い所には、おそらく高熱で焼けた証拠であると思われますが白ぽい焼けこげが残り、その外縁部にいくほど、どす黒い焼き焦げの痕が同心円上に残っていました。残骸のあちらこちらからは、まだ、白い煙が燻っており、まだ何か爆発物が残っているのではないかと不安になりました。

 今回、墜落したと思われるCH53型の輸送ヘリは相当大きく、そのヘリが原型をとどめないほどに破壊されてしまっている現状を見るに、墜落時の爆発等の衝撃はかなりのものであったと思われます。爆発時の様子を語った友人は、「ドーン、ドーンと2回爆発があり、地響きがして振動が伝わってきた」と言い、近所の方で様子を見ていた方は、「爆弾、爆弾が落ちたかと思ったよ」と語られていました。こうした墜落現場の周辺は、いち早く駆けつけた米軍の関係者たちによって封鎖をされ、大学関係者はもとより地元関係者は近づけない状況となっていました。ともかく、人のいない時期にいないところに墜ちたのが不幸中の幸いであったように感じました。

 
周辺の状況
 
これだけの爆発をともなった墜落であったので、周辺への影響がないはずはないと思い、今一度、周辺の被害状況を見て回りました。墜落爆発による影響はいたる所に見ることができました。直接の被害を被った大学棟の他で、やはり一番大きな被害を受けている所は、墜落現場の正面にあったマンション周辺でした。マンション西側の壁や周辺のブロック塀などには、爆発時に飛び散ったヘリコプターの機体の破片による損傷でしょうか、ブロックが破壊され粉々になった所や塀に穴が開いているところ、雨トイが切断されているところなどを見ることができました。中でも衝撃的であったのは、マンションの2階の部屋でした。墜落現場の面した西側の窓はいたるところに亀裂が生じ、西の角にあったワイヤーメッシュ入りのガラス窓は、ワイヤーが入っているにもかかわらず、機体の破片は窓ガラスを突き抜け、隣の部屋との境にあった板製の引き戸も貫通し、部屋の北側の角に置いてあったテレビのボンネットを破壊し、テレビの中で止まるという状況でした。ちょうど、その板の引き戸の下には、7ヶ月になる赤ちゃんが寝ていましたが、お母さんの機転で難を逃れました。
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