FW沖縄2003−2
「イラクは欺いている」と言い切り、強行に武力の行使を主張しつづけました。こうしたアメリカの主張に対して、仏・独・露の各国は、査察の強化を主張しました。ここでちょっと話は それますが、現代における戦争行為について、注釈をはさまさせてもらいます。国連憲章は原則として武力行使(戦争)を認めていません。(国連憲章第2条)唯一、武力行使を認める場 合は、@侵略に対する自衛戦争(国連憲章51条)A国際安保理事会において、武力行使を容認する決議がなされた場合です。ここで意外に思う方がいらっしゃるかもしれませんが。近現
代において、この国連憲章ができるまでは、国家間の戦争行為は国際法上禁止事項ではありませんでした。こうした背景を考えるに、もし、アメリカがイラクに対して武力行使をするのだ とすれば、その理由は、@にはなりえないので、国際安保理事会における承認を必要としたわけです。しかし、国際安保理事会のメンバー国をはじめ、仏・独・露の各国は、この段階にお けるイラクに対する武力行使を反対しており、まだ徹底した大量破壊兵器の査察を続行するべきだと主張していました。国連における承認が得られないと判断したアメリカは、米・英・ス
ペインによって提出した武力行使に向けた決議案の修正案を取り下げ、国連における判断を無視して、独自の判断によって武力行使の実施を決定し、03年3月17日、ブッシュ大統領が イラクに対して、最後通告をしました。このときにアメリカが主張していた武力行使の理由は、あまりよくわかりません。大量破壊兵器を押さえるためだとか、イラクを民主化するためだ とか、以前国連で決議したイラクに対する決議案を破ったからだとか、民主主義の自由を守るためだとか、テロ戦争は侵略行為だからその自衛のためだとか、武力行使の決行ありきの中で
後付けなる理由がゆえ、時と場合によってころころと変わりました。ともかく結果としてわかったことは、アメリカは、国連を軽視しているということと自国の利益を確保するためには、 アメリカは手段を選ばないということ。そうして、03年3月19日、米・英軍による対イラク攻撃は開始されました。実際には、これ以前より、イラクの飛行禁止区域における攻撃活動 は行われており、民間人の巻き添えも多数出ていました。もうすでに戦争状態であったのです。そして戦争の結果は、米・英軍の圧倒的な軍事力の前に大勢は直決まり、戦闘終了宣言と…
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