FW沖縄2003−6
ここで少し津堅島についての解説をしましょう。津堅島は、沖縄島中部勝連半島の南東約5kmのところにあります。周囲約8km、面積1.75平方kmの小島で、琉球石灰岩を基盤と しています。表面には少々、島尻層を見ることができます。島の周囲には、セハナ浜、アギ浜、キガ浜、和名浜、ヤジリ浜、泊浜などの砂丘が多く分布しています。島を取り囲む形 で、リーフが発達しており、砂丘とリーフの間の干潮帯には、たくさんの魚や貝がいます。かつては、津堅と神谷村の2つに分かれていましたが、明治36年土地整理完了のころ合併を
して津堅村となりました。1626年ころ、島尻の大里間切りに属し、その後、西原間切に移り、1676年勝連間切に編入されました。地形は、平地で島で一番高い新川グスクは海抜3 7.5mで、ここに登ると島全体を眺めることができます。現在、島の特産物は、人参で、キャロット島として有名になりつつあります。さてさて、ちょっと解説をしただけで、やれ間 切だ、土地整理だと、いろいろ説明をしたい言葉が出てきていますが、それはおいおい説明させてもらうとして、高速船に乗った私はあっという間に、島の港の津堅漁港へと着きました。
船を降り、島を西回りで回ってみることにしました。家並の間の路地を歩いて行きました。家々の門柱の上などには、シャコ貝が飾ってあります。道路にあるマンホールの鉄製のふたには 島のマスコットの人参が彫り込まれています。家並みが途切れ、海が見渡せる所に出ました。真っ青の海を漁船がまるで砂糖の粉を蹴散らしているかのように進んでます。断崖の縁に下に 降りる階段がついています。急な階段を降りていくとそこには、鳩が見つけたというホートガー泉がありました。永い間、島民の飲料水として使われていたそうです。泉のそばには、男
女に見立てた鍾乳石をご神体とするマーカーと呼ばれる祠が祀ってありました。子孫繁栄の神だそうです。丘陵にもどり、海浜植物の茂る小径をさらに進むと、うっそうとした南国特有の ジャングル地帯となってきました。周りには、クバをはじめとする熱帯に多く植する木々が生い茂っています。琉球において神聖な木であるクバ(びろう)の木が生い茂っているここ一帯 のことをグスクがあった跡にウタキ(御嶽)があったことからクボーウタキと呼んでいます。クボーがクバのことなのではないかなどとかの柳田国男先生は指摘をしています。各村にある
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